Hondaウエルカムプラザ青山でモータースポーツ関連の展示が行われていたので、その最終日に行ってきました。
これが2020年初頭の大改装以来初めての訪問になったことには少しばかり驚きましたが、思い返してみれば、前回の訪問は1年以上前となる2019年9月でした。
ガラス張りの面積は拡大し、様々な所に木目調パネル(あるいは本物の木?)が使われていて、ずいぶん印象が変わりました。
入ってすぐの所にはマックスとチェコのレーシングスーツ。
私の推しチーム、スクーデリア・アルファタウリのマシンは隅の方に展示されていました。
右半分が角田の22号車、左半分がギャズリーの10号車。
ノーズのカーナンバーは不在でした。
各部の形状を見て分かるように、このマシンのベースは2018年のトロロッソSTR13のようです。
当時の規定で許されていた大量の 'sticky uppy bits'(とサム・コリンズが呼びそうなもの)をフロントウイングから取り除くなど必要な改造を施し、アルファタウリのデザインに塗り替えたのでしょう。
ギャズリーがアブダビで乗った実車として展示されていた個体かも知れません――だとすればずいぶん贅沢なショーカーです。
2018年までの規定の名残が見えるフロントウイング。
トロロッソの吸い込まれるような深みのあるメタリックブルーも素敵でしたが、紺のマットも大変風情があるものです。
この曲面!
たまりません。
これぞモダン・フォーミュラ1、という感じです。
いつまでも眺めていられる美しさです。
紺と白に少しの赤が加わった色の組み合わせはアルファタウリの誕生以前から大好きでした。
一時期の中嶋レーシングがスーパーフォーミュラでそのようなデザインを使っていましたね。
当然ながらウエルカムプラザの一番目立つところに展示されていたのは、我らがチャンピオン、マックス・フェルスタッペンのRB16B……を模した、完全に展示だけを目的とした模型です。
2019年からHondaとレッドブルのパートナーシップが始まったというのに、静止状態のレッドブルカラーのマシンを撮るのは意外なことにこれが初めてです。
やはりこちらに多くのヒトが集まっていたので、アルファタウリよりも少しばかり撮影に苦労しました。
濃紺のベースの上に鮮やかな赤を直置きするデザインは、2016年に使われ始めてからもう6年目。
その間、スポンサーロゴなどに合わせた小変更を除けば全く変化はなく、レッドブル・レーシングのヴィジュアル・アイデンティティーを非常に強固なものにしています。
2021年になっても全く古さを感じさせません。
特にサイドポンツーンからエンジンカバーあたりの部分は美しい曲面で構成されていますから、このようにしてロゴの歪みが目立つように撮りたくなります。
単なる車輪に留まらない高性能なホイール。
2022規定では18インチに拡大された上で、必ずホイールカバーが装着されることになると聞きます。
個人的にはカバーにスポークの絵を描かれるのは大歓迎です。
ホイールカバーに描かれる回転しないスポーク風イラストやNASCARのヘッドライトモドキ、ベースとなる市販車でのグリルにあたる部分を黒く塗られたツーリングカーのバンパーなど、機能の犠牲になるレーシングカーの見た目を誤魔化す試みのダサさのようなものは私の大好物です。
マシンの右隣にはアゼルバイジャンの優勝トロフィー、左隣にはフェッラーリ(『Ferrari』と綴っても『フェラーリ』ではない)のスパークリングワインのボトルが置かれていました。
何のケースにも納められず盗みやすい形で置かれているこのトロフィーは、恐らくレプリカでしょう。
この人混みでは相当賢いやり方でないと盗めないとは思いますが。
ステッカーの凸凹を見るといかにも展示用模型という感じがしますね。
実車にこんな出っ張りがあるとは思えません。
それとも案外こんなものなのでしょうか。
屋外にはNSX Type Sが展示してあったので、そちらも撮りに行きました。
上品な塗色で大変好印象。
カーボンマットグレー・メタリックといって、「Honda国内初のマットカラー」だそうです。
細めのスポークの間に見える鮮やかなオレンジ色のブレーキキャリパーからは、非常に獰猛な印象を受けます。
来季からはHondaではなくレッドブル・パワートレインズが(少なくとも表面上は)PUの供給者ということになりますので、レッドブルとアルファタウリがどのような成功を収めようとも、青山でHondaが主体となってこのような豪勢なお祝いをすることはないと思います。
最後になるかも知れない撮影のチャンスでしたから、無事に撮れて安心しました。